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風が吹いたら桶屋がもうかる
井上夢人 集英社文庫 シュンペイの働く牛丼屋に、シュンペイの同居人ヨーノスケの 超能力で事件を解決してもらいたいという美女が訪れる。 美女を連れて帰り相談すると、発展途上の超能力を使って ヨーノスケが事件の真相を見つけようとする間に、もうひとりの 同居人であるイッカクが、論理的に事件を解決しようと試みる。 美女が持ち込んだ事件は解決するのか? という、ユーモア短編ミステリが7話。 すべて同じ展開であるにもかかわらず、最後まで面白く読めました。 推理小説を読んでは作者に文句ばっかり言っているイッカクの ぶっ飛び推理は、読んでいるわたしが恥ずかしくなるぐらい。 本人いわく「論理的」なんだけど。 ヨーノスケの超能力・・・といっても、確かに超能力者らしいことは できるんだけど、なんせ時間がかかる。 手を使わずに割り箸を割った頃には、ラーメンは伸びきっていたり。 (シュンペイいわく、超能力じゃなくて低能力) 事件がどうやって解決するかどうかは、読んでからのお楽しみ。 超能力は置いておくとしても、「ああ、こういう人いるいる(笑)」って いう人が次々と出てくるところがいいのよね。 作者の井上夢人さんは、かつて岡嶋二人という、名前のとおり 徳山諄一さんとコンビを組んだ、合作ミステリ作家でした。 今はコンビ解消されています。 ユーモアもシリアスも、短編も長編も、とにかく面白い。 わたしにとってはハズレのない作家さんだったんだけど。 徳山さんとの出会いから岡嶋二人結成、そしてコンビ解消までが 井上さん目線から書かれた「おかしな二人 岡嶋二人盛衰記」を 読んだら、簡単に「やめないで欲しかった」とは言えなくなりました。 まあ、好きには変わりはないんだけど本音を言えば、新作が 読めないというのはやっぱり寂しいなあ。 と、久しぶりに井上さんの文章を読んで思いました。
by non_c_e_male
| 2008-03-06 23:01
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