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思わず笑ってしまう本 江戸小話傑作集
田辺貞之助 潮文社 百人一首の本を探そうと本屋をウロついていたら こんな本に出会いました。 本当に馬鹿馬鹿しい話です。でも、これこそユーモアというべきだと思いました。 この本には、今では差別用語と呼ばれる言葉がわんさか出てきます。でも、そう呼ばれている人々も、少しも卑屈ではありません。それが当たり前だったからです。正義ぶって、偽善ぶって、思いつきだけで、古来の素晴らしい言葉が次々と失われる現代。人と人との垣根もだんだん高くなっています。それゆえ、この小話集は、とても新鮮でした。 シモネタも満載です(笑)でもね、なんだかあっけらかんとしているんですよ。女郎とか、間男とかいっぱい出てくるのですが、明るいんです。長屋は、薄っぺらい壁一枚で隔てられているだけですから、プライバシーもなにもあったもんじゃあない。それをも笑い飛ばしちゃうパワーに圧倒されます。 「睦月の巻」から「師走の巻」まで、一月ごとにくくられてあるので、季節感も味わえます。江戸の一年を想像しながら読むのもまた楽し。 さて、小話と言えば落語。飛行機の楽しみは落語(スカイマークは機内放送のサービスがないので困ります)という程度の落語好き(詳しくはない)なのですが、もっと知りたくなりました。で、図書館でこんな本を借りました。 柳家花緑と落語へ行こう 旬報社まんぼうシリーズ いわずと知れた、柳家小さん師匠のお孫さんで、NHKの「にほんごであそぼ」にも出演されていますし、最近はCMでも見かけますね。花緑師匠のお兄さんは、ベジャール・バレエ・ローザンヌのトップダンサーだった小林十市さんなのですが、花緑師匠と兄弟だと知った時には、そりゃ驚きました。芸能一家なのですねぇ。小林十市さんの舞台はテレビでしか拝見したことはないのですが、三島由紀夫をテーマにした「M」は、鳥肌立てて見てました。残念ながら怪我でバレエは引退されて、今は役者さんとして世界中を駆け巡っていらっしゃるとか。 すぐ脱線しちゃうなぁ…(_ _;)さて、落語です。花緑師匠と私は同い年なのですが、大変しっかりした考えをお持ちで、なんだか自分が恥ずかしくなってしまいます。とても落語を愛していらっしゃるのがわかります。そして、現在の落語界を憂いていらっしゃるのも。それを、自分が変えるんだというその心意気に惚れ惚れします。この本を読んで、もう、ライブで見るしかないと思いました。私がここでうだうだ言っていても、所詮は机上の空論です。何事も生で体験しないと身につきません。いや、落語家になるつもりはありませんけれども(笑)せっかく東京に住んでいるのですから、コレを生かさぬ手はない!!おとうちゃんが良くなったら寄席に行くぞぉ!! で、まぁ何も知らないまま行っても楽しめるとは思うのですが、ちょっとばかし勉強して行っても損はないだろうと思って、今、こんな本を読んでいます。 とことん楽しむ落語のすべて TBS落語研究会編 落語とはなんぞや!?、落語を実践する、名作落語40選…などなど、初心者の私にもわかりやすい内容です。入門編にはうってつけ。この本も図書館で借りたのですが、前に借りた人も必死に勉強していたようで、鉛筆で丸印がつけられていたり、ページの耳が折ってあったり(笑)見知らぬ彼(彼女?)も、コレを読んで寄席へと出かけたのでしょうか。
by non_c_e_male
| 2006-01-30 15:08
| こころにのこるもの
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